7日目(2016年5月2日)11:30
@ラオスのヴィエンチャン
前記事に引き続き、ヴィエンチャン散策。
トゥクトゥクに乗って到着したのは、
COPE Visitor Centre
ここはヴィエンチャンに来たら絶対行った方がいい!
そんな場所。
ここはなぜか地球の歩き方(下記)
には掲載されていない(私持ってないので知らない)らしいですが、
tripadviserの口コミランキングは、
ブッチギリの1位です!
COPEとは
直訳で、
Cooperative(=協同組合)
Orthotic(=矯正器具) and
Prosthetic(=人口装具)
Enterprise(=企業)
の略称。
ラオスに大量に残された不発弾(=UXO)の被害者のために、
- 義手・義足の製作
- リハビリサービス
を提供するラオス唯一の団体のことです。
ここは義手・義足などの製作の他にも、
ベトナム戦争で大量に投下されたクラスター爆弾などに関する資料なども展示されています。
正直、かなりヘビー(雰囲気重め)な施設でした。
とはいえ、絶対オススメです。
再度念押し。
施設周辺には不発弾で作られた展示品
これは、回収した不発弾で作られた、
爆弾から避難する母と子。
こちらの植木鉢も、
不発弾を活用して製作。
他に、回収した大きな不発弾なども展示されていました。
施設内は様々な資料が展示
全部きっちり紹介するのは無理ですが、書けるだけ書いていきます。
これは、
上部にある大きな爆弾(長さ150cm直径40cmほど)に、
小さい爆弾(1つ10cmほど)が大量に入ってます。
それが上空で散らばり、広範囲に爆弾を落とせるのがクラスター爆弾。
これ1つで殺傷能力は十二分にあります。
広範囲を一度に爆破できるので、
使う側には使い勝手の良い爆弾です。
ベトナム戦争ではなんと2億6000万発も使われた模様!
ラオスに爆弾が落とされた理由
この↓↓赤い部分はなんだと思います?
1965〜75年にクラスター爆弾が落とされた場所
です。
かなり広範囲に渡ってばら撒かれたことがよくわかります。
※北部は割と山岳地帯なのであまり投下してない。
しかも、もともとラオスって、
ベトナム戦争にほぼ関係ない存在だったんですね。
私はそういった事実も、
ラオスにこれだけ爆弾を落とされた事実も、
全然知らなかったです。
恥ずかしながら。
北の中国&東のベトナムが共産国化し、西のタイは資本主義。
両陣営の国にとって重要な位置に、
たまたまラオスがあっただけ。
ホーチミン(ベトナム)は、
「共産化しないと米軍が来る」
と怖れ、
アメリカは、
「ラオスの共産化だけは食い止めないと、インドシナ(東南アジア)全体が共産化する」
ことを怖れた、
という話らしい。
北のホーチミンが南ベトナムでの戦いを支援するために使った、
”ホーチミンルート”
という有名な補給路の大部分はラオスの国内になります。
※上記画像右下の赤い部分。
アメリカはこの道に沿って、
大量のクラスター爆弾を落としていったんですね。
クラスター爆弾の問題点
ややこしいことにこのクラスター爆弾は、
こんな草むらとかに普通に落ちてるらしいです。
といってもヴィエンチャンなどの都市にはさすがになく、
田舎の方の話ですけどね。
なぜそんな風に残ってしまうのかというと、
落ちた場所によっては、
起爆スイッチが作動せず、
不発弾になることが多い爆弾
だからです。
こんな感じにコロっと落ちてます。
7800″万”発
国際不発弾処理団体のラオス支部「UXOラオス」によると、
ベトナム戦争時に米軍が投下したクラスター爆弾は2億6000万発。
このうち約30%が不発弾とのこと。
30%というと7800″万”発です。
最初アメリカは、
「残ってるのは100万発ほどですよ〜」
って言ってたみたいですが、今はそれが30%の7800万発になっています。
まぁ、それも本当かどうかはまだ分かりませんし、
全部処理するのも現時点であと100年かかるらしいです。
残ってる不発弾の、
まだ1%ぐらいしか処理できてないみたいですし。
不発弾の怖さ
不発弾はこの大きさ。
これ、何も知らない子供達が外で遊んでるときに見つけたらどうでしょう?
ボールと間違えて触ったり、遊び道具かなとか思っちゃいますよね?
そこで「ドカン!」となって、
悲しいことに不発弾の犠牲になる子は毎年いるようです。
これ去年の記事↓
真の「積極的平和主義」。不発弾大国ラオスにみる元自衛官たちの活動
記事によると年々犠牲者は減ってますが、
それでも2015年上半期で33名が出ています。
UXO(=不発弾)と一緒の生活
これは日本では考えられないですが、
ラオスではリアルな話なんでしょうね。
不発弾の魅力
小さい子供たちに現物(爆弾)を見せ、
「絶対触っちゃダメ」って強く指導すれば防げるかというと、
現実問題としてはそうでもないようなんです。
爆弾は鉄でできており、
それらは「お金」になるわけですね。
溶かして鉄を抽出。
パラシュート照明弾のケース(直訳)で作られたバケツ。
フォークやスプーンなどの日用品から何から、
いろいろと作られてる模様。
ASEAN(東南アジア諸国連合)の中でも後進国にあたるラオス。
平均月収は3〜5万ほどとのこと。
まぁ格差がすごいのであまりアテにはならないですが、
そんな困窮層なら爆弾を見つけて収集する仕事をするのも、
分からなくはないのですね。。。
国としても裕福ではないため、除去するために予算を充てることがなかなかできない状況みたいです。
これは不発弾を発見するための金属探知機。
義手・義足
人の体はそれぞれ違うので、
義手や義足も合わせて作ります。
たぶん、大きめに作って布でコントロールするのかな?
子供の方が圧倒的に不発弾の犠牲になるケースが多く、
成長に伴い作り直す必要が出てくるのも大変です。
これはこの方の義足。
実際に不発弾の犠牲になった家族を取材したVTR。
こんな記事も↓
「歴史上、人口1人当たりの爆撃が最も”重い国”」。都市部経済成長の裏で、ラオスが抱える不発弾の苦悩
義足を体験
私も昔体験したことがありますが、とっっても難しい。
松葉杖でも結構大変ですし。
義手の方でも使いやすい品々。
ちなみに義足は50ドルの寄付で1本作れるらしい。
しかし、ラオスの人にとっては月給に近い高価なもの。
それだけ稼ごうとするのも大変です。
この小物入れは、
写真の指のないおばあちゃんが製作したとのこと。
常人と変わらないクオリティはすごいです。
犠牲になった方の初期に活用する催眠療法的なMirror Box。
手足を無くした直後は、怪我が治っても痛み(発作)が出ることがあるようです。
それを、このBOXに突っ込んで見えなくすると痛み(発作)はおさまる模様。
2010年にクラスター爆弾の影響を受けた国と地域
クラスター爆弾禁止条約(オスロ条約)
左側の日付が署名、右側が承認した日付。
現在100カ国強が署名。
ただ、アメリカや中国、ロシアなどは未署名。
各国間の考え方などは、
取引会社との付き合い方や、
サークルや学校での人間関係、
そういったものと同じだな〜と、
最近よく思います。
食料自給率やエネルギーを自分のところで全て賄えない日本は、どこかの国と上手いことやる必要性はあるので、何かと調整したり必要もあるんでしょうね。
ということでCOPEの施設は回り終えました。
正直だいぶヘビーでしたね。
とはいえ、観光よりも今回のようなその国の歴史や考え方、文化などを知る今回の旅ですので、非常に勉強になってよかったです。
ラオスのヴィエンチャンへ行った際は、
ぜひCOPEへ立ち寄ることをオススメします(3回目)
お土産(ラオスコーヒー)
1ヶ月の東南アジア旅なので、お土産は買わない予定でしたが、せっかくなのでコーヒー豆を購入。
紙袋は英字新聞。
なんで英字ってだけでオシャレに見えるんだろ。
これもエコでいいですね。
この方法どっかで使おう。
7日目(2016年5月2日)13:00
@ラオスのヴィエンチャン