私は11月上旬頃にWELQの件を知りました。
感想を一言で言うならば「そこにビジョンはあったのか?」ですね。個人的には、ネット界隈に存在するアフィリエイターと呼ばれるような方たちや、ただ単にマルチビジネスをやってるような方たちと同じ匂いがします。
(追記→2つ目の記事のコメントにある楠木さんのコメントが一番納得しました)
たしかに、バイラルメディア(キュレーションサイト)は稼げるかもしれない。というか、むしろ稼げるからやるんでしょう。で、「そのあとはどうするの?」「何か価値を世の中に提供したの?」ってことです。まぁ、バイラルメディア(キュレーションサイト)で稼いだお金をやりたいことに投資したい、というのはあったのかもしれませんが。。
世の中には起業する人たちはたくさんいますが、多くは「コレがやりたい!コレを解決したい!こんな世の中にしたい!」そういうビジョンを持って起業していると思います。最初はビジョンがあったのかもしれないですが、少なくとも最近報じられてる内容を見てると、WELQからはそういうビジョンが感じられなかったですね。
LINE田端さんの記事
バイラルメディア(キュレーションメディア)について、LINEの田端さんが2年前にインタビューされていた記事が興味深かったので御紹介。
インタビューではこのように仰っています。
- ほとんどのバイラルメディアはどこかで見たような記事の劣化コピーである点
- 経済合理性がないというか、儲からない点
また、
「三方(さんぽう)良し」と言うが、バイラルメディアは三方に対してダサい。まず読者に対してダサい。出資者に対しては、どうせ儲からないビジネスプランにお金を出させるという意味でダサい。そして、一番の被害者はバイラルメディアをやっている当人たち。たぶん、得るものはない
と、仰っています。
※ちなみにWELQは「メディア」という言葉は使われていませんが、ここではスルーしておきます。
個人的に「編集力」は大事な能力だと捉えています。「ある情報を吸収し、噛み砕いて分析し、分かりやすく言い直して伝える能力」ですので。ただ、田端さんの記事にあるように「2〜3人でやるならまだ分かるけども、大企業が力を入れてやる分野ではない」と仰った部分にも共感します。やるんならサイトを運営する個人個人の価値観で文章を引用したり、ピックアップすれば良い。そういうところが個人メディアの特色だし、各個人メディアごとに考え方が違う部分が読者にとっては面白いんじゃないかと考えています。
私が利用しているNewsPicsが面白いのはそういう部分。同じ記事に対して、著名人が自分の考えをコメントする、という点は、他のメディアにはない部分です。個人ブログやメルマガは、運営者の考えや価値観が出やすいから面白い。それが、「ブランディング」になるし、使い方にもよりますが「宣伝」になったりもします。誰かに書かせるってのは違うし、ましてや名前を明かさずにやっても信用性は薄いです。まぁ、名前を明かしても信用が薄いケースはもちろんありますけども。それは少しずつ蓄積し、継続していくしかないですよね。
これからのデジタルマーケティングにいちばん求められるもの
「恥をかいても逃げずに向き合い続けようぜ、間違えたら間違えたで謝ったらいいじゃん」みたいなメンタリティ
と、田端さんは仰ってます。
これ、軽い調子で仰ってますが、発信慣れしてない人ってなかなかできない。「発信するからには絶対に正解じゃないといけない」と、思いがち。失敗が怖いんだと思います。もちろん、わざと嘘を書いたり、自分でも自信がない内容を書くのはダメですが、「私はこう考えている」という意見を書くことは問題ないでしょう。
それができるかできないかって、とても重要です。
今回は医療分野ということもあって大きく取り上げられた部分があるとは思いますが、もともと著作権はグレーな部分もあり判断が難しいですので、モラルの問題です。各個人がキチンとやることと、ルール違反してたら地道に通報していくしかないですね。
ピコ太郎のPPAPでYouTubeのコンテンツIDの仕組みがクローズアップされましたが、パクられても著作権者が利益を享受できる仕組みがあれば、場合によってはアリでしょう。著作権保有側が2次活用されるのがイヤなら使えなくする設定もできますし。
コンテンツIDはそんな仕組みです。
NAVERまとめを運営するNAVERも今後の計画にそういった要素を含めて発表しました。
これから良い方向に行けば良いですよね〜。