タイムアウトのないスポーツ

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5時間半の試合

偶然にも、試合時間【5時間半】にも及ぶシングルスの試合を観戦しました。

※夏の関西学生選手権(本日準々決勝)が大阪の靭テニスセンターで開催中。週末(8/26,8/27)にお時間ある方は、ぜひ観戦に行ってみて下さい。

たくさん熱戦が繰り広げられていた中で、同志社と関学の選手の女子シングルスが『5時間半』やっていたんですよね。

しかも33℃の暑さの中。

ハードコートの上はさらに暑かったでしょう。

本当に「死闘」という文字が相応しい試合でした。

スコアは、

勝利した同志社の選手から6-4,5-7,7-5。

関学の選手は終盤足や腹筋あたりが痙攣気味っぽかったですが、持てる力を振り絞ってなんとか試合を最後まで行ったものの、5-2の劣勢から逆転して同志社の選手が勝利。

5-4関学選手アップ時のデュース十数回は本当に見応えあるラリーでした!

両選手、本当に本当にお疲れ様でした!

両者痙攣の3時間超えのインハイ掛け試合などは過去に何度か観たことはありましたが、5時間超えの生観戦は初めてかもしれないです。

世界のテニスは試合時間短縮の流れ

ダブルスにはファイナルセット(3セット目)にスーパータイブレークが導入されるのが普通になりました。

それに伴い、日本の各大会もその流れが増えています。

運営者や観戦者からしても、試合は短い方がなにかと計算しやすくて助かります

でも、こういうタイムアウトのない試合の良さを、今日は改めて感じることができました。

試合の流れもいったりきたりで本当に読めませんでしたしね!

とはいえ、個人的にはやはり過酷すぎるとは思いますが・・・。

・・・ま、どうしたら正解ってことも特にありません。

個人が思ったことを徒然に書いています。

読んだ人がどう考えるかは自由ですし、それぞれが一度考えるきっかけになれば良いなーと思ってはいます。

タイムアウトのない「野球」

テニスもタイムアウトはありませんが、タイムアウトのないメジャースポーツはやはり野球じゃないでしょうか?

H2(あだち充)の1シーンより

プロ野球もそうですが、高校野球にも数々のドラマがありますよね。

こういうドラマが生まれるには、観客の存在が必須だと個人的には考えています。

ドラマチックな試合を観ている「観客」がいて初めて、長年ずっと語り継がれるものでもありますから。

テレビなどの存在ももちろん大きいですが、観客が多いが故にテレビでも放送されるってことでしょうから、やはり注目されることが大事ですよね!

そういう意味ではテニスは本当にまだまだと言えます。

インターハイやインカレでも、同じテニス部仲間や学校関係者、応援に来た家族がせいぜいってところです。

「多くの人を巻き込むこと」にもっと注力しなくちゃいけないと、個人的には思っています。

で、そんな高校野球のドラマチックな試合と言えば、直近の2017年の夏大会ですと大阪桐蔭vs仙台育英の、1-0の9回裏2アウトでほぼゲームセットの場面からの逆転サヨナラが記憶に新しいですね。

こちら↓  7:00手前ぐらいが重要なシーン。

他にも、個人的に記憶に残ってる高校野球の試合をいくつかピックアップ。

1996年夏決勝:とっても有名な奇跡のバックホーム


TVで生観戦してましたが、今観ても鳥肌もの。

それ以外にも、実は9回裏2アウトからの同点ホームランで追いついてもいるんですよね。

2009年夏決勝:最後の最後が特にドキドキもの。

2007年夏決勝:がばい旋風の佐賀北 0-4の8回裏からの逆転満塁HR


今見ても鳥肌もん。

1998年夏:豊田大谷vs宇部商:延長15回のサヨナラボーク

今見てもせつない。。

210球も投げて疲れ果ててたんでしょうね。。

PL学園vs横浜の延長17回の試合はバックネット裏で観戦してましたが、250球投げた松坂投手や、駒大苫小牧の田中将大投手と対決して178球&118球投げた早稲田実業斎藤投手が凄すぎたとしか言えません。

200球も投げちゃダメです。

こういうこともあって今はルールが変わってきてますよね☝️

話はそれますが、インターハイと全日本ジュニアの過密日程も問題だと思いますが、どこかの偉いさんが意見しないとなかなか変わらない問題なんでしょう。

もしくは何かが起きないと変わらないんでしょうね。

たくさん勝つトップジュニアは本当に大変です。

大会やイベントを運営する側の人間としての意見は、今回の5時間半のような試合にならなくてもドラマが起きるようなルールや仕組みを考えて、テニス界を盛り上げたいと考えています。

試合時間やルールを短くしても、盛り上がるような方式はいろいろ作れると思ってますから。

また、いろいろ仕掛けていきたいと思います。

また、良いアイディアがあれば教えてください!

最後に、サヨナラボークに関するデイリースポーツの記事を転載しておきます。

試合観戦に入り込めるかどうかは、選手や学校の背景やサイドストーリーなどの情報を知っているかどうかや、自分自身に縁があるかどうか(出身地や学校や年が一緒などなど)などがポイントになってきます。

下記記事を読んだら、サヨナラボークの試合に対する見方も少しは変わるんじゃないでしょうか。

出典:デイリースポーツオンラインより
◆青春のすべてを甲子園という夢の舞台にかける球児たち。勝負である以上、どんなプレーにも判定が伴う。大舞台だからこそ、ではなく甲子園に縁のない高校同士の練習試合も、日本中が注目する場面でも、普遍のジャッジがあってこそ高校野球は成り立つ。
1998年夏の甲子園大会2回戦。豊田大谷と宇部商は延長十五回、史上初のサヨナラボークによる豊田大谷の勝利という幕切れとなった。球審を務めた林清一氏に試合を振り返りつつ、高校野球の審判哲学を語っていただいた。
100年の歴史で今のところ唯一のジャッジは、異様な雰囲気の中、“究極の当然”を求めた結果の産物でもあった。
人によるかもしれない。ただ、林氏は「下調べをしない」をモットーに、ゲームに臨んでいた。
「コントロールがいいとか、三振記録を持っている、という予断が入ると際どい球のジャッジがぶれるかもしれません。人間には弱さもありますから」
完璧でないことを認め「見たまんまで判断する」。長年、自らに言い聞かせてきたことだった。
第2試合。グラウンドは38度。直後に横浜・松坂大輔の試合が控えており、「あの時点で超満員でした」と振り返った。
五回終了時、水を飲んだ。試合は延長へ突入。「水分、差し入れを期待したんですが、来なくてねえ」と笑うが、その時は笑い事ではなかった。塁審もバテて、打球を追い切れなくなっていた。しかし「早く決着をつけたい、と思ったら、ジャッジが雑になる」と、必死の判定を続けた。
十五回裏。豊田大谷は無死満塁の絶好機を迎えた。200球を超える球を投げてきた宇部商のエース・藤田修平はこの場面で、林氏の想定になかった動きをした。
「審判として一番いけないのはビックリすること。そうならないように、あらゆることを想定するのですがあの時、ボークだけは考えてもなかった」と振り返る。
「ふらふらで、汗もすごい勢いで流れていた」という林主審の眼前で、プレート板に足をかけた藤田はセットに入ろうとした手を「ストン、と落としたんです」。
林氏は迷わず「ボーク」を宣告、サヨナラゲームとなった。「5万人のスタンドが一瞬、静まりかえって、そこからざわざわする声に変わりました」とその瞬間を振り返った。
もし藤田が足を外していれば、ボークではない。「だんだん不安になりました。(ミスなら)やっちゃった、審判人生、終わりだな」とも思った。もちろん現場やテレビなどを見た同僚、関係者から「間違いなくボークだった」の確認が入った。
それでも直後の会見では、報道陣から「なんであんなところでボークを取るんだ」、「注意で終わらせられないのか」といったヒステリックな声も飛んできたという。
この場を収めたのは、ベテラン審判員の三宅享次氏。「審判は、ルールの番人です。以上!」と制した。
当時は、四角四面の冷徹なジャッジと感じる向きもあったかもしれない。しかし-。
通常、試合終了時は野手のミットやグラブに送球(投球)や、サヨナラなら打球が収まる。しかしこの試合は、投手・藤田の手にボールが握られたままだった。
甲子園の、暗黙のルールとして、ウイニングボールは目立たないように、勝利校の主将にプレゼントされる。が、林氏は2年生投手の藤田が渡そうとしたボールを「持っておきなさい。そして来年、また甲子園に来なさい」と、受け取らなかった。勝った豊田大谷にはポケットから出した試合球を手渡した。
試合を2時間以内で終わらせるため、ひっきりなしに選手を急がせ、機械的に判定を下すのが審判員ではない。
とっさに、ウイニングボールを敗戦投手に手渡した林氏。他の試合中にも、さまざまな隠れたやりとりはある。
終盤、つるべ打ちに遭った投手。投球数は増え、何度も三塁、本塁のバックアップに走り肩で息をしている。本塁付近にいれば「頑張れ」と声をかける。
大敗の終盤、代打に背番号「18」の選手が出てくる。明らかに足が震えている選手も少なくない。こっそり「深呼吸しなさい」とささやいて、汚れてもいない本塁ベースを掃き、時間を取ってやる。
「甲子園は、誰にとっても一世一代」。少しでもいいプレーをさせてやりたい。林氏は「そういう時のために、通常は無駄な時間を省いて“貯金”をしておくんです」という。
血の通ったルールの番人があればこそ、甲子園で球児は躍動する。

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