2016年5月4日05:30
ラオスのルアンパバーン
ラオス最終夜も遅くまで宴。
にも関わらず、みんな奇跡の5:30起き。
ということで、
托鉢を見に出発!
時間ギリギリだったので駆け足気味で。
そもそも托鉢とは??
托鉢とは、出家した人たちの修行の1つ。
托鉢(たくはつ、サンスクリット:pindapata)とは、仏教やジャイナ教を含む古代インド宗教の出家者の修行形態の1つで、信者の家々を巡り、生活に必要な最低限の食糧などを乞う(門付け)街を歩きながら(連行)又は街の辻に立つ(辻立ち)により、信者に功徳を積ませる修行。
前の記事にも書きましたが、
“貧困層を救うための福祉サービス”
的な存在にもなっています。
http://murakamisuguru.com/2016/06/16/luang-phabang_temple-tour/
この記事(↑)に書いているように、
ラオスでは仏像を全て寺院に寄付する慣習があります。
なので、家に仏壇がありません。
托鉢で毎日お坊さんにお供えものを託すこと
||
仏壇に念じること
という感覚のようですね。
実際に見た托鉢
終わる間際でしたが、自分の目で見れました。
お供え物はもち米が基本
上の写真の一番右の方が手渡してる白いのが”もち米”。
炊きたてを用意し、
ひとつまみ分を軽〜く丸くこね、
お坊さんたちが持っているカゴに入れます。
最近ではお菓子などもお供え物としてあります。
また、お供えする際は裸足が基本です。
(一番左の方の横に脱いだサンダルが置かれてますね)
もうひとつのカゴ
上の写真をよく見ると分かりますが、
一般の人たちの横にもカゴがありますよね☆
お坊さんはたくさんの人たちにお供えものをもらいます。
それら全てを自分のカゴに入れるのは量が多くて難しいです。
だから、一般人のカゴに入れておすそ分けをするんですね。
その際は1口食べてからおすそ分けするらしい。
その理由は、
”お坊さんが食べた食べ物にはご利益がある”
と言われているため、
だからお坊さんは、全てに1口ずつ口をつける食べ方をするらしい。
食べるところは目撃できなかったですけどね。
ベーシックインカムの食べ物版
托鉢は、
1年365日、毎朝、全ての寺院で、雨でも風でもやってます。
だからどんな人でも
「食べるものがないという状態にならない」
ってわけです。
こういう仕組みがあるおかげで、
ラオスには餓え死や物乞いがほとんどいないんです。
だからベーシックインカムの食べ物版というわけです。
逆にいうと、
そういうものがあるために、
本気で働いて稼がなきゃ!
という気持ちにもなりにくい、
というのは言えるのかも。
托鉢を終えて寺院へ
托鉢を終えたお坊さんたちは自分の寺院へ戻ります。
お供えものをする体験はできなかったですが、
せっかくルアンパバーンに来たので見れて良かったです。
どういう人がお坊さんになるのか?
ラオスでは、お坊さんになればお坊さん専用の学校に無料で通えるとのこと。
通常の学校との違いは、仏教が増えるだけで他は同じ。
托鉢があるので食べ物にも困りません。
よって、田舎や貧困層の子どもたちが勉強するために通うケースは多いみたい。
他にお坊さんになるケースは、
3ヶ月だけ出家する習慣出家(男子は全員経験する)や、
家族に災難などが起きた際に3日〜1週間だけ出家する厄払い出家
というケース。
兵役の義務がある国も多いですが、
ラオスでは3ヶ月の出家が義務となってるわけですね。
兵役に関しては、昔は15歳になれば1年間義務づけられていた模様。
しかし兵役よりも教育の方が大事だと政府が考え、今は義務としてはなし。
学校に行かず働いてもない人は兵役に就く模様。
これからの日本の自衛隊もこんな感じになりそうですね。
変化しつつある托鉢のルール
ルアンパバーンの托鉢は、
近年非常に有名になりました。
私もそうですが、これを観にくる観光客も多いわけです。
観光客のためかどうかは分かりませんが、
融通を利かせて仕組みを変えてる部分が結構あります。
①開始時間は夜明け10分前
ヴィエンチャンも含め、
他の地域も托鉢は行ってます。
が、どこも5時半開始が普通。
しかしここルアンパバーンでは、
夜明け10分前となってるんですね。
というのも、
托鉢の撮影は自由ですが、フラッシュが禁止のため。
暗いうちに始めてしまうとフラッシュ使う輩が出てきてしまうからです。
観光客に規制を強めるのではなく、あちらが譲歩した形ですね。
伝統を変えるのってかなりエネルギーいるからスゴイ。
②車が通行止めになる
観光客が混乱するのを防ぐため、
すべてのお坊さんが同じルートで回ります。
托鉢の最中は、
通るルートは車も通行止めになります。
写真撮影に夢中のお客さんの事故を防ぐためらしい。
③椅子もOK、裸足じゃなくてOK
昔は膝をついてお坊さんにお供えしていた模様。
お坊さんより高い位置にいてはいけないというルールがあるためです。
しかし近年は観光客がお供えするケースも増えており、
膝をついた姿勢は相当大変なため、
椅子でもOKになってるみたい。
裸足じゃなくてOKというのも、
観光客に歩み寄ってルールが作られたみたい。
他にも詳しく話を聞けばまだまだ面白い話はありそう。
過去の遺産や伝統を守ることも大事ですが、
これからの時代に合うように作り変えていくことも大事なこと。
この辺のさじ加減がウルトラ難しいんですが、トップが優秀で、トップダウンでやるのが一番平和に物事が進みますね。
政府もお坊さんには指示できないらしいですが、
上の方は裏でこっそりつながってるんだろうな、
とか思ったり。
そういうのを考えながら観光するのも面白いもんです。
2016年5月4日06:30
ラオスのルアンパバーン